北九州市小倉南区の行政書士事務所

帰化申請の素行要件について

帰化申請の素行要件について

 

 

今回は、帰化申請の条件である「素行要件」についてお伝え致します。

この素行要件が最も引っかかりやすく重要な条件です。

 

「素行が善良であること」と言われても、抽象的であまりイメージしにくいかと思いますが、帰化申請では、日本の法律を守って生活しているか?という点が重要となります。

 

 

 また、素行要件は在留資格が特別永住者かどうかによって審査の厳しさが若干変わってきます。

 

【素行が不良と判断される具体的な事例】

➀実刑有罪判決の前科

②執行猶予付き有罪判決の前科

③在留期間経過後の不法残留(オーバーステイ)

④交通違反

⑤税金・年金の未納

⑥不倫等の、民法上の不法行為

など、多岐にわたり判断されています。

ただ、どのあたりがボーダーなのか特にきっちり決まったきまりというものはなく、違法行為の程度・内容・刑量・時期などから総合的に判断する事になります。

 

【前科・犯罪歴について】

前科や犯罪歴は、許可が下りるかどうかを判断する大きな基準となりますが、ある程度の年数が経過していれば問題ない場合が多いです。

当事務所では、ご本人さんに犯罪歴がある方や親族に犯罪歴がある方も状況に応じてサポートさせて頂きますので、一度お気軽にご相談下さい。

 

【破産歴について】

破産も不許可理由となります。帰化申請において、自己破産歴があるということは、素行要件から見て帰化申請の面から見てマイナスである事は間違いないです。

自己破産した過去がある場合でも、ご自身の在留資格によって異なりますが、年数の経過によって、帰化申請が出来る場合もあります。

 

【重加算税について】

帰化申請を実施する書類の中には「納税証明書」が含まれているため、納税額の申告を偽ったり、事実を隠ぺいしたりして重加算税を課された経歴があると、帰化申請の審査で不許可となる恐れがあります。

経営している会社が重加算税を課せられた、無申告だったという場合は、一定期間帰化申請を断念することになります。

又、帰化申請される方が会社役員でなくても、例えば会社役員の妻で専業主婦である場合、主だった収入は夫の収入なので、法人税の納税証明書に重加算税と記載されているだけで帰化は難しいです。

 

【運転経歴について】

素行要件で一番引っかかりやすいのが、運転経歴です。

違反の頻度や時期、行政処分の回数などにより総合的に判断されますが、直近2年以内に3回以上交通違反がある場合は不許可となります。(違反は、点数ではなく回数でカウントされます)

罰金刑を課せられた場合は3~5年間許可が下りません。 ※一般道路で30km以上のスピード違反をした場合は一発で罰金刑となります。

帰化申請時に問題がなくても、許可が下りるまでの間に罰金刑を課せられた場合も不許可となるので、車の運転時には注意が必要です。

免許停止を受けている場合は5年以上経過してから帰化申請を行うことをお勧めします。

 

 

【交通事故について】

物損事故ですと、大抵のケースは保険会社が入ってすぐに収束するのでほとんど問題にはならないのですが、人身事故を起こして相手に後遺障害などが出て示談が長引くと、帰化申請が出来ないこともあります。

人身事故を起こしたことのある場合は示談書の提出を求められます。

 

 

【納税状況について】

過去1~2年の所得税・住民税が滞納状態になっていれば、申請をする前に完納しておきましょう。

会社員の方で給与から天引きになっているような方はまず問題ないと思いますが、給与から引き落とされていないような方や個人で確定申告などをしている場合には注意が必要です。

また、会社経営者や、会社を経営している親族の方の収入で暮らしておられる方は、その会社の過去2~3年の法人税・法人県民税・法人市民税・法人事業税などが完納になっているかどうか確認しておきましょう。

納税に関しては、同居されている方全員についてチェックが必要です。

 

【年金支払状況について】

 未納の場合は申請までに支払う必要があり、過去2年分までは遡って支払うことが可能です。

又、申請者本人や同居者に法人の役員(取締役等)がいらっしゃる場合には、その会社が厚生年金に加入しているかどうかも必ずチェックが必要です。

 

【生活保護について】

生活保護受給者の方でも帰化申請ができるケースはありますが、自力で稼いだ収入の方が生活保護受給額より多いことが必要となってきます。

 

【家族の素行について】

ご両親やご兄弟に犯罪者がいらっしゃるような場合でも、基本的に帰化申請は本人さんの素行が問題となりますので、影響は少ない場合がほとんどです。

 

 

【法人経営者の場合の素行要件について】

会社を経営されている方(具体的には、その会社の取締役又は監査役に登記されている人)が申請される時、又は同居者などその会社からの収入で生活している方が申請される時には、以下の条件もチェックしてみて下さい。 ① 経営している全ての会社が社会保険加入事業所かどうか? ② 法人税、法人住民税、法人事業税、消費税などの税金をきちんと納めているか? ③ 直近決算は赤字か黒字か?今期はどうなりそうか? ④ 重加算税などを課されたことはないか? ⑤ 許認可が必要な事業をしている場合に、適切な許認可を持っているか?

 

 

個人事業主の場合の素行要件について】

個人事業をされている方が申請される時、又は同居者などその事業からの収入で生活している方が申請される時には、以下の条件もチェックしてみて下さい。

① 社会保険の加入義務があるにもかかわらず、その義務を怠っていないか?

② 所得税、個人事業税、消費税などの税金をきちんと納めているか?

③ 直近決算の金額で同居者全員が生活して行けるだけの収入があるか?今期はどうなりそうか?

④ 節税目的で所得をかなり低く(100万円以内など)設定した確定申告内容になっていないか?

⑤ 重加算税などを課されたことはないか?

⑥ 許認可が必要な事業をしている場合、適切な許認可を持っているか?

 

 

【その他の素行の問題】

それ以外で素行要件の問題になりやすいのは、

・ 今誰かと揉めている

・ 訴えられて裁判沙汰になったことがある

・ 借金を放置している

・ 不貞行為で問題になったり、略奪婚をした

※但し、これらの要素も年数が経てば問題にならないケースがあります。

 

少しでも不安要素がありそうでしたら、お気軽に当事務所の無料相談をご利用下さい。