建設特定技能受入計画認定申請とは?
建設業で外国人を雇用する方法として、特定技能制度を利用する企業が増えています。
しかし、建設分野の特定技能1号を受け入れる場合、通常の特定技能に関する在留資格についての手続きだけではなく、国土交通省に対して「建設特定技能受入計画」の認定申請を行う必要があります。
「建設業で特定技能外国人を受け入れたいけれど、何から準備すればいいのか分からない」
「建設特定技能受入計画の必要書類を知りたい」
「受入計画の認定にはどのくらい時間がかかるの?」
このような方に向けて、建設特定技能受入計画認定申請の流れや必要書類について解説します。
建設特定技能受入計画とは?
建設分野で特定技能1号の外国人を受け入れる場合、受入企業は「建設特定技能受入計画」を作成し、国土交通大臣の認定を受ける必要があります。
これは、外国人が技能試験に合格している場合だけでなく、技能実習2号を良好に修了するなど、試験免除の対象となる外国人を受け入れる場合も同様です。
つまり、新たに特定技能雇用契約を締結して建設分野で外国人を受け入れる場合には、建設特定技能受入計画の認定が必要となります。
建設分野では、一般的な特定技能制度に加えて、建設業界の適正な就労環境を確保するための独自の要件が設けられています。
そのため、建設業許可や建設キャリアアップシステム(CCUS)、JACへの加入等についても、あらかじめ準備しておく必要があります。
今回は、建設特定技能の手続きの中でも、国土交通省による「建設特定技能受入計画の認定」について詳しく説明します。
建設特定技能受入計画の認定を受けるための7つのポイント
建設特定技能受入計画の認定を受けるためには、受入企業が一定の基準を満たしている必要があります。
主なポイントは以下の7つです。
1.建設業許可を取得していること
受入企業は、建設業法に基づく建設業許可を受けている必要があります。
そのため、特定技能外国人の受入れを検討する際には、現在取得している建設業許可の業種や有効期限などを確認しておくことが大切です。
また、外国人に従事させる予定の業務が、取得している建設業許可の業種と適切に対応しているかについても確認が必要です。
2.建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録
受入企業と、受け入れる1号特定技能外国人の双方について、建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録が必要です。
CCUSは、建設技能者の資格や就業履歴などを登録・管理するシステムです。
3.JACへの加入等
受入企業は、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)への加入等を行う必要があります。
JACへの加入等の手続きにも時間がかかる場合があるため、外国人の受入れを予定している場合は、早めに準備しておくことをおすすめします。
4.外国人に適正な給与を支払うこと
特定技能外国人に支払う報酬についても、重要な認定基準の一つです。
外国人であることを理由として、日本人より低い給与を設定することはできません。
同等の技能を有する日本人と同等額以上の報酬を支払う必要があります。
また、安定した賃金支払いを確保するため、月給制による賃金支払いが求められます。
さらに、技能の習熟などに応じた昇給についても、適切な仕組みを設ける必要があります。
申請の際には、特定技能外国人の給与だけでなく、比較対象となる日本人技能者の給与や実務経験などについても確認します。
5.雇用契約の重要事項を外国人本人に説明すること
給与や労働時間など、雇用契約に関する重要な事項については、契約締結前に外国人本人へ説明する必要があります。
この説明は、外国人本人が内容を十分に理解できる言語で行うことが求められます。
特に、給与額や手当、労働時間、休日など、雇用条件について本人がきちんと理解したうえで契約を締結できるようにすることが重要です。
6.受入れ後に指定された講習・研修を受講させること
特定技能外国人を受け入れた後には、国土交通大臣が指定する講習・研修を受講させる必要があります。
建設特定技能の手続きは、受入計画の認定を受け、外国人が就労を開始すれば終了するわけではありません。
受入れ後についても、企業には一定の対応が求められます。
7.巡回指導を受け入れること
受入企業は、国または適正就労監理機関による巡回指導を受け入れる必要があります。
巡回指導では、認定された建設特定技能受入計画に沿って、外国人が適正な環境で就労しているかなどが確認されます。
建設特定技能受入計画認定申請から認定までの流れ
建設特定技能受入計画の認定申請は、受入企業の要件確認から始まり、必要な準備を整えたうえで国土交通省へ申請し、認定を受けた後、出入国在留管理庁で在留資格の手続きを行うという流れで進みます。
ここでは、建設特定技能受入計画の認定を受けるまでの主な流れを順番に説明します。
STEP1 受入要件を確認し、雇用条件を整える
まずは、特定技能外国人を受け入れる企業が、建設分野の受入要件を満たしているかを確認します。
主な確認事項として、建設業許可を取得しているか、CCUSへの登録が済んでいるか、JACへの加入等が完了しているかなどがあります。
これらの企業側の準備と並行して、受け入れる外国人の仕事内容や給与、労働時間、休日などの雇用条件についても決定します。
建設分野では、特定技能外国人の給与が同等の技能を有する日本人と同等額以上であることが求められます。
そのため、給与額を決定する際には、比較対象となる日本人技能者の給与や実務経験なども確認し、適切な雇用条件を設定する必要があります。
雇用条件が決まったら、外国人本人に重要事項を説明したうえで、特定技能雇用契約を締結します。
STEP2 必要書類を準備する
企業側の要件確認や雇用条件の整理と並行して、建設特定技能受入計画の認定申請に必要となる書類を準備します。
受入企業に関する書類だけでなく、受け入れる外国人本人に関する書類や、日本人との給与比較に関する書類なども必要となります。
必要書類は、企業の状況や外国人の在留状況などによって異なるため、申請前に必要な書類を確認しておくことが大切です。
STEP3 外国人就労管理システムから申請する
必要な準備と書類が整ったら、「外国人就労管理システム」を利用して、建設特定技能受入計画の認定申請をオンラインで行います。
システム上で必要事項を入力し、準備した書類をアップロードして申請します。
STEP4 国土交通省による審査・補正
申請後は、国土交通省による審査が行われます。
提出した書類や申請内容に不足や不備がある場合には、補正や追加書類の提出を求められることがあります。
STEP5 建設特定技能受入計画の認定
審査の結果、必要な要件を満たしていると認められると、建設特定技能受入計画の認定を受けることができます。
申請から認定までは2~3ヶ月程度を要します。また、申請内容に不備があり補正や追加書類の提出を求められた場合には、認定までにさらに時間がかかることがあります。
そのため、外国人の入社予定日や在留期限などを考慮し、余裕を持って申請することが重要です。
STEP6 出入国在留管理庁で在留資格の手続きを行う
建設特定技能受入計画の認定後は、出入国在留管理庁で在留資格「特定技能」に関する手続きを行います。
海外から新たに外国人を呼び寄せる場合は在留資格認定証明書交付申請、すでに日本に在留している外国人が特定技能へ変更する場合は在留資格変更許可申請を行います。
このように、建設分野で特定技能外国人を受け入れる場合には、企業側の要件確認や雇用条件の設定、必要書類の準備を進めながら、建設特定技能受入計画の認定申請を行い、その後、在留資格に関する手続きを進めることになります。
建設特定技能受入計画の主な必要書類
申請に必要となる書類は、受入企業や外国人の状況によって異なりますが、主に以下のような書類を準備します。
受入企業に関する書類
登記事項証明書(3ヶ月以内に発行したもの)
建設業許可証(有効期限内のもの)
常勤職員数を確認できる書類(厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書)
CCUSの事業者IDを確認できる書類(ID記載した登録時のメール・ログイン画面・はがき等)
JACへの加入等を確認できる書類(正会員・賛助会員どちらでも可)
ハローワークの求人票(求人を出すことが必須)
就業規則(常時10人以上の労働者を使用せず、これらを作成していない場合は提出不要)
賃金規程(常時10人以上の労働者を使用せず、これらを作成していない場合は提出不要)
退職金規程(常時10人以上の労働者を使用せず、これらを作成していない場合は提出不要)
36協定届(有効期限内のもの)
変形労働時間制を採用している場合の関連書類
などがあります。
なお、就業規則や賃金規程などについては、会社の規模や実際の規程の整備状況によって提出が必要となる書類が異なります。
特定技能外国人に関する書類
外国人本人については、主に以下のような書類を準備します。
雇用契約書(国土交通省HPから様式をダウンロード)
雇用条件書(国土交通省HPから様式をダウンロード)
重要事項事前説明書(国土交通省HPからダウンロード)
同等の技能を有する日本人と同等額以上の報酬であることの説明書(国土交通省HPから様式をダウンロード)
- 同等の技能を有する日本人の賃金台帳(直近1年分(賞与含む))
同等の技能を有する日本人の実務経験年数を証明する書類(様式自由)
建設キャリアアップシステムの技能者IDを確認する書類(CCUS技能者IDは、原則として申請時に確認できる状態にしておく必要があります。ただし、海外在住などの理由により、特定技能外国人本人のCCUS登録が申請時点でできない場合には、勤務開始後に登録を行うことができます。)
などです。
建設特定技能受入計画の申請で注意したいポイント
・建設業許可・CCUS・JACの準備を早めに行う
建設特定技能の受入れでは、建設業許可だけでなく、CCUSやJACなどについても対応が必要です。
それぞれの手続きに時間がかかる場合があるため、外国人の採用が決まってからすべての準備を始めるのではなく、早めに必要な手続きを確認しておくことをおすすめします。
・給与設定には注意が必要
特定技能外国人の給与は、同等の技能を有する日本人と同等額以上でなければなりません。
そのため、申請前に日本人技能者の給与や経験年数などを確認し、適切な給与設定になっているかを確認することが重要です。
・受入計画の認定だけで手続きが終わるわけではない
建設特定技能受入計画の認定後も、出入国在留管理庁への在留資格に関する手続きや、受入れ後の報告・研修など、必要な対応があります。
建設分野で特定技能外国人を受け入れるためには、建設業許可、CCUS、JAC、建設特定技能受入計画、在留資格の手続きなど、複数の手続きを適切な順番で進める必要があります。
特に、初めて特定技能外国人を受け入れる企業の場合、「どの手続きから始めればいいのか分からない」というケースも少なくありません。
当事務所では、建設特定技能受入計画の認定申請をはじめ、建設分野における特定技能外国人の受入れ手続きについてサポートしています。
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